アルパカ素材とサスティナビリティについて
2021.09.03
今回は普段とは違い品質ではなくサスティナビリティという観点からアルパカウールを紹介させていただきたいと思います。
まず今回の趣旨においては、サスティナビリティとは「開発、資源など環境破壊せずに継続、維持できるさま。持続可能」といった意味合いになります。
この観点からアルパカ素材を見てみますと、
1. アルパカは餌となる草にとってダメージの少ない動物である。
2. アルパカは自然な毛色でも多様な色が存在するため染色工程が軽減される。
3. アルパカの毛を狩ることはアルパカにとっても必要なことである。
といった点が羊などの他の獣毛供給動物比べ優れていると言えます。
1. アルパカは餌となる草にとってダメージの少ない動物である。
アルパカは放牧地に生えている草しか食べませんが、その食べ方はなかなかにグルメで先端の柔らかい部分だけを食べ根などそのまま残します。
また、その足には蹄がなく代わりに肉球(!)がついており、蹄のある羊などと比べ歩く際に踏む草へのダメージも低くなります。
そういったことから、牧草地の草は再生も早く緑に優しい動物と言えます。
2. アルパカは自然な毛色でも多様な色が存在するため染色工程が軽減される。
アルパカの毛の自然色は白に始まりベージュ・茶色系から黒まで22色もあり、その自然色のまま毛を混ぜることで環境への影響の大きい染色工程を経ずさらに300種類以上と言われるバリエーション豊かな色を作り出せます。
羊の自然色は3色しかないとされていますので、その違いは歴然です。
3. アルパカの毛を狩ることはアルパカにとっても必要なことである。
アルパカの毛は自然に抜けないため、外的要因によって毛を取り除かれなくては太陽に近いアンデス高地での夏に耐えられません。人間がアルパかの毛を狩ることでアルパカたちも夏を乗り切ることができるwin-winの関係と言えますね。
また、アンデスの先住民にとってアルパカは古くからとても重要な存在でした。
アルパカを育てて夏に刈った毛で衣服を作り厳しい冬の寒さを乗り切る共存共栄の関係。
今なおそのころから続く伝統的な様式を守る人たちにとっては、生計を建てる上でも大切な動物です。
アルパカ製品が購買されるということは、そういった人たちの生活様式を守るうえでも助けとなるでしょう。